連結
つい先日、普段一切のかかわりのない人と喋る機会に恵まれた。
わたしはコミュニケーションが不得手なのだが、
初対面の人間と話すのが好きだ。
一見何を言っているのかわからないと思うが、
ちょっと話を聞いてほしい。
単純なことなのだが、わたしとは違う思考フォーマットに興味があるのだ。
普段から、わたしは一つの事柄に対して、
多くの視点をもってそれら同士を競合させることによって
自らの意見を作り上げてきた。
つまり、普段関わりのない領域の人間との会話は、
新しい視点への獲得になり得るのだ。
これはわたしにとって大変に楽しく、喜ばしいことなのである。
そしてかなり傲慢な物言いになってしまうが、
思考速度や深度がある程度一致しているほうが負担は少ない。
これは知識量のことではなく、思考の連結の話だ。
わたしが最も嫌悪する手合いは
己の知る範疇にないものを奇異の視線で見るものたちだ。
本来何かを知るということは喜びであるはずだ。
少なくとも私にとってはそうだ。
知らないことは悪いことじゃない。
でも、知ろうとしないことは、罪深い行いであると、
わたしはそう思う。